恐喝未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。
◇盗撮犯に金銭を要求◇
Aさんは交際相手の女性と千葉市内の自宅に帰宅途中、電車内で前の座席に座っている男性にスマートフォンで、交際相手を盗撮されていることに気付きました。
Aさんは、この男性を次の停車駅で電車から降車させて「このまま警察に行くか、それとも彼女に示談金を払うか、どうする?」と詰め寄りました。
男性が「警察だけは勘弁してください。示談金を支払います。」と言ったので、Aさんは、盗撮した男性に対して、交際相手への賠償で100万円を2週間以内に支払うことを約束させて、男性の勤務先の名刺と、免許証をスマートフォンで撮影して、男性の個人情報を記録しました。
そしてそれから数日後、Aさんは、男性の携帯電話に電話して「約束を破ったら会社に行って事件を言いふらすからな。」と脅したのです。
盗撮した男性が警察に届け出たらしく、昨日Aさんは、恐喝未遂罪で警察に逮捕されてしまいましたが、Aさんは「示談金を取り立てただけで、恐喝はしていない。」と容疑を否認しているようです。
◇恐喝罪◇
恐喝罪とは、簡単に言うと他人を脅して、金品を脅し取る犯罪です。
脅す手段は、「暴行」や「脅迫」が用いられることが一般的で、その程度については、人が困惑する程度では足りず、人が畏怖する程度のものでなければなりません。
恐喝罪が成立するには
①恐喝(人を脅す行為)
↓
②相手が畏怖する
↓
③財産的処分行為(金品を交付する行為)
↓
④財物・財産上の利益の取得
といった構成要件要素が、主観的には故意によって包括され、客観的には連鎖的因果関係によって連結されていることが必要とされています。
恐喝する対償となる金品は、他人が占有する他人の財物ですが、契約等によって、法律的に犯人が被害者に対して請求できる場合も、それを要求する手段に、暴行や脅迫が含まれている場合は、恐喝罪(恐喝未遂罪)が成立する可能性があるので注意しなければなりません。
つまり今回の事件では、Aさんからすれば「盗撮行為の被害者に対する示談金」という名目で被害者に現金を要求していますが、その方法が脅迫にあたるために恐喝未遂罪が適用されたと考えられます。
◇脅迫の程度◇
今回、Aさんは恐喝の手段として脅迫を用いていますが、どの程度の脅迫行為から恐喝罪が成立するのでしょうか?
脅迫とは一般に、人が畏怖する程度の「害悪の告知」ですが、害悪の内容それ自体が違法なものである必要はなく、その告知が金品を得る目的で人を畏怖させる程度のものであれば恐喝罪でいうところの「脅迫」に当たります。
また害悪に実現性があるかどうかについては、一般的に実現可能と思わせる程度の害悪であれば足り、実際にその害悪の内容を実現する可能性が存在するか否か、また行為者に害悪を実現させる意思があったかどうか、また告知の内容が真実であるかどうかは関係ありません。
つまりAさんが、盗撮した男性に電話で告げた「会社に行って事件を言いふらすからな。」といった内容は、男性からすれば、畏怖するに足りる害悪の告知に当たるでしょう。
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