過剰防衛で逮捕②
~事件~
千葉県大網白里市在住のAさんは、千葉県内の会社に勤務する会社員です。
Aさんは、空手の有段者で一般の人より、権利侵害に対しての防御力が高い人です。
ある日、Aさんが繁華街を歩いていると、通りすがりに高校生の少年と肩がぶつかり因縁をつけられました。
Aさんは、少年に謝罪しまし立ち去ろうとしましたが、少年が引き留め金銭等を要求し、その後顔や腹を殴られました。
Aさんは我慢し逃げようとしましたが、少年が執拗に殴られたため、Aさんは反撃に転じました。
警察が駆け付け、Aさんと少年から事情を聴き、後日改めて事情聴取をすると言われ、不安になったAさんは刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(実話を基にしたフィクションです)
【正当防衛が成立する条件】
前回、正当防衛が成立する条件を解説しましたが、今回は具体的な内容について解説します。
まず、1つ目の条件である不正の侵害であるかどうかですが、この場合の侵害の対象は被害者の生命や身体、財産です。
これらの対象に対して、相手が正当な理由なく侵害する行為を行ってきた場合に、不正の侵害があると考えられます。
2つ目の条件の急迫性があるかどうかについては、相手の侵害行為が現在行われている場合にのみに限られます。
今まさに相手が刃物を持って襲い掛かってくるような場合が対象となり、過去や未来に行われるであろう出来事については正当防衛の対象とはなりません。
3つ目の条件は、正当防衛の必要性です。
その場から立ち去ることができる状況や相手を諭すことが可能であったと認められる場合、正当防衛の必要性が認められないことがあります。
4つ目の条件の相当性は、正当防衛として行った行為が、自身の権利を防衛するために必要最小限度の行為であったかどうかがポイントになります。
例えば、権利侵害者が高齢の女性で、素手で攻撃してくるのに対し、20代の男性が金属バットを持って反撃するという行為は、相当性がないと判断され過剰防衛となります。
最後に、防衛の意思については、相手からの権利侵害に乗じて反撃しようと考えてたと認められる場合には防衛の意思はないと考えられています。
当時の状況等を考慮して判断され、防衛の意思が認められなければ、過剰防衛となります。
【過剰防衛と認められた場合】
正当防衛が認められると、違法性が否定されることになり、刑事上の責任を追及されることはありません。
ただし、正当防衛と過剰防衛の判断は難しく、当時の状況を考慮して判断されることになります。
また、1つでも正当防衛の条件を満たさなかった場合、過剰防衛となってしまい、悪意がない場合でも罪に問われる可能性があります。
もし、正当防衛で行った行為で警察から取り調べを受けている場合には、一度刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
千葉県大網白里市の刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回相談料:無料
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