<事案概要>
Aさんは我孫子市内の学校に通う高校生でした。
ある日、Aさんは友達グループ内のVさんと喧嘩をし、その腹いせとして「Vはバカ!ブス!ぶりっこ!あばずれ!」などVさんを侮辱する言葉を自身のクラスの黒板一面にチョークで書き込み、そのままにして帰宅しました。
この書き込みはすぐに、学校中で問題となり、Vさんの親が警察に相談したことを知り、Aさんはどうしたらよいのかわからず、親御さんに相談をして、弁護士にアドバイスをもらうことにしました。
※本件事例はフィクションです。
~解説~
このようなケースの場合、Aさんはどのような罪に問われてしまうのか、あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
今回のケースですと、Vさんを誹謗中傷し、侮辱する内容を、学校の教室という不特定多数の人の目に着く場所に書いたということで侮辱罪が成立すると考えられます。
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(刑法第232条)
侮辱罪に対する罰則は当初、「拘留又は科料に処す」とだけ定められていましたが、令和2年に「厳罰化すべき」という意見から、議論が繰り返され、昨年(令和4年7月7日)改正法が施行されました。
侮辱罪について刑が一段階重くなったことで、侮辱罪を理由とした逮捕が行いやすくなったという面もあります。
また、侮辱罪と似た、他人の名誉を傷つける行為を行った人を処罰する法律として、「名誉毀損」という犯罪もあります。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
(刑法第230条)
この二つの罪種の違いとして、「侮辱罪」は事実でないことを公表し,他人の社会的地位を貶めること(社会的地位を貶めるのに公表した内容について事実であることを必要としない)で成立し、「名誉毀損罪」は他人の社会的地位を失墜させるに足りる事実を公表すること(公表した内容が事実である場合)によって成立すると考えられています。
また、ここで言う「人」とは、生きている人に対してだけでなく、企業や会社なども含まれます。
今回、Aさんは、具体的な事実ではなく抽象的にVさんを誹謗中傷して貶めるような内容を、その内容の真偽は問わず教室の黒板に書き、多数の者が目にする状況で公示したため、侮辱罪が成立すると考えられます。
~事務所紹介~
今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
いち早く弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず、札幌、仙台、さいたま、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。