恋人や友人などから、「警察に捕まるかも、助けて欲しい」などと頼って来られると何とかしてあげたくなってしまうかもしれません。
しかし、そこで手助けをしてしまうと、恋人や友人だけでなく、あなたが罪に問われるかもしれません。
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が、犯人蔵匿等罪について解説いたします。
~事案概要~
深夜2時ごろ、千葉県浦安市で一人暮らしをしているAさん(女性27歳)の部屋に、恋人であるXさん(男性33歳)が突然訪ねてきました。
Aさんが事情を聞くと、Xさんは「突然家に浦安警察が来て、覚醒剤の取引リストに俺の名前があったって言われた。同姓同名の別人かなんかだと思う。その場は親に任せて裏から逃げてきた。しばらく匿って欲しい。」と説明したのです。
Aさんは、恋人であるXさんがやっていないと言うなら信じようと思い、部屋にXさんを匿うことにしました。
その後、Aさんの部屋を突き止めた警察が訪れ、Xさんを覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕、Aさんを犯人蔵匿罪の疑いで逮捕しました。
※事例はフィクションです。
~解説~
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
・犯人蔵匿罪の法定刑
・1月以上3年以下の懲役
・1万円以上30万円以下の罰金
「蔵匿」とは、場所を提供するなどして匿う(かくまう)ことです。
今回の事例では問題となるのはAさんの匿ったXさんが「罪を犯した者」に該当するのかという点です。
Aさんが、恋人であるXさんを部屋に匿った段階では、Xさんが実際に「罪を犯した者」なのかどうかは明らかではないため、無実と信じて匿っても罪にはならないように感じます。
しかし、判例(最判昭和24・8・9参照)は、犯罪の嫌疑によって捜査の対象となっている者も「罪を犯した者」に含まれると判断しています。
判断の理由は、犯人蔵匿罪は国の刑事司法作用(犯罪のためする行為)を妨害されないようにするためのものだからとしています。
そのため、きっと無実と信じたり、まだ犯人とは決まっていないからといって、警察の捜査を受けている恋人や友人を匿うことは、罪に問われる可能性があります。
~まとめ~
刑事事件は早い段階での法律のプロへの相談が事態の深刻化を防ぎ、早期解決に大きく影響します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
千葉県浦安市のAさんのように、犯人蔵匿の罪などで警察に呼ばれるのではないかと不安、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご連絡ください。
無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の刑事手続きの見通しや適切な対応などについてご説明致します。
24時間365日予約受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)にご連絡ください。