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裁判員裁判と取調べの録音・録画~千葉県内の強盗致傷事件を基に解説【前編】~

2023-06-22

今回は、前編、後編に分け、裁判員裁判と、刑事事件の取調べの際に行われる「取調べの録音・録画」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。

~事例~

 千葉県内のリサイクルショップに昨年12月、男らが押し入り店主に暴行を加え売上金120万円と商品の高級腕時計などを奪い逃走した事件で、県警捜査1課は、強盗致傷建造物侵入容疑で千葉県館山市居住のA男(20代、自称派遣社員)を逮捕した。
 県警は、捜査に支障があるとして認否は明らかにしていない。

 逮捕容疑は令和4年12月9日午後7時半ごろ、共犯者の男らと千葉県内のリサイクルショップに侵入。男性店主の顔面をバールで殴ってけがをさせ、「金庫はどこだ」などと脅迫して金品を奪おうとした疑い。
 この事件を巡っては、実行役とされるB男(20代、無職)、C男(30代、会社員)の2名も逮捕されている。
 男らに面識はなく、SNS上の高収入バイトに申し込み、指示役とみられる者から本件犯行の指示を受けた、所謂「闇バイト」であるとみて、背後関係を含め慎重に捜査を進めている。

 なお、男性店主は意識不明の重体とのことです。

本件事例はフィクションです。 

~本件事例の刑責と裁判員裁判~

 本件事例では、男性店主をバールで殴り怪我をさせ、売上金や高額商品を奪っていることから、強盗致傷の容疑、加えて、強盗目的でリサイクルショップに侵入したことが、正当な理由でなく店舗に立ち入ったことによる建造物侵入容疑で逮捕されたのだと考えられます。

強盗致傷罪(刑法第240条)

強盗が、人を負傷させたときは無期または6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する

参考 強盗罪(刑法第236条)

 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する

建造物侵入罪(刑法第130条)

 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

 特に、強盗致傷罪はその法定刑が無期懲役・無期禁錮にあたる、非常に重い罪であり、強盗致傷罪として起訴されてしまった場合は裁判員裁判の対象事件となります。

~裁判員裁判とは?普通の裁判とは何が違うの?~

 通常の刑事事件の裁判では、罪を犯した被告人をどのような刑に処すかを決める判断を裁判官だけで行います。

 しかし、裁判員裁判では、刑事事件の裁判のうち、地方裁判所で行われる刑事裁判に、国民の有権者から無作為に選ばれた裁判員と裁判官の合議による刑事裁判を言います。国民が裁判に関与することで、司法に対する国民の理解が深まり、司法に対する信頼が向上することを目指して2009年に導入された制度です。
 裁判官のみによる裁判とは異なり、裁判員裁判では通常、裁判官が3人、裁判員が6人で合議体を構成します。
 そして、裁判員は、刑事裁判に参加し、被告人の犯した罪がどのようなものなのか、有罪なのか無罪なのか、有罪の場合はどのような刑に処するのかを裁判官と一緒に検討します。

 つまり、裁判員裁判では、刑事裁判の手続きに一般国民の声が反映される仕組みとなっていると言えます。

~裁判員裁判の対象事件とは~

裁判員裁判の対象となる事件は重大事件です。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)第2条1項によって、裁判員裁判の対象となるのは、
「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪にかかる事件(1号)」
「裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(2号)」

と規定されています。

※裁判所法第26条第2項2号に掲げる事件とは、裁判所法において、3人の裁判官による合議体により審理することになっている事件(死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪(刑法第二百三十六条、第二百三十八条又は第二百三十九条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第一項若しくは第二項又は第一条ノ三第一項の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第二条又は第三条の罪を除く。)に係る事件)を指します。

死刑または無期の懲役若しくは禁錮に当たるものとは、法定刑として死刑、無期の懲役若しくは禁錮が定められているものを指します。

裁判員法2条1項1号(法定刑として死刑、無期の懲役若しくは禁錮が定められているもの)に該当するものとして、

殺人罪(刑法第199条)

 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する

強盗致傷罪(刑法第240条

 強盗が、人を負傷させたときは無期または6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する


強制性交等致傷罪等(刑法第181条2項)

 第177条、第178条2項若しくは第179条2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する


が挙げられます。

裁判員法2条1項2号に該当するものとして

傷害致死罪(刑法第205条)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

保護責任者遺棄致死罪(刑法第219条)
前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
※前2条とは、遺棄(刑法第217条・老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。)保護責任者遺棄等(刑法第218条・老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。)のこと

逮捕監禁致死罪等(刑法第221条)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
※前条は逮捕及び監禁(刑法第220条・不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。)


が、それぞれ挙げられます。

傷害致死罪などは、死亡結果については故意がないものの、傷害、遺棄、逮捕といった行為は故意に行っているために、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた」ことになり裁判員裁判対象事件となります。

また、裁判員裁判対象事件に当たるかは、先ほども説明した通り、どの犯罪で起訴されたかにより決定します。例えば、強盗致傷で逮捕されたとしても、強盗で起訴された場合には、裁判員裁判対象事件ではないということになります。

 裁判員が裁判手続に参加することから、通常の裁判とは決定的に異なったものとなっています。裁判員裁判で弁護人を務めるには、通常の裁判とはまったく異なるスキルが必要です。裁判員裁判の弁護人には、裁判員裁判を熟知し、裁判員裁判の経験が豊富な弁護士を選ぶこと大切です。

 次回の後編では、裁判員裁判対象事件の際などに行われる、取調べの録音・録画制度について解説していきます。

~ご家族が逮捕されてしまったら~

強盗致傷の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、裁判員裁判を見据えたアドバイスやサポートを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、平素より刑事事件・少年事件を数多く受任してきた実績を持つ法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っております。
ご家族が逮捕されてしまい、お困りの方は、是非一度、0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

罰金が払えないとどうなる?~労役とは?~

2023-01-29

 今回は、罰金科料を納めることができない場合に行くこととなる労役場について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説を致します。

【事例】

 千葉県木更津市在住のAさん(男性26歳)は、酒気帯び運転の違反で30万円の罰金に処されましたが、これを払うことができないので放置していました。
 1ヶ月ほど経ち、検察官から罰金の未納についてAさんに連絡がありました。
 罰金が払えないAさんはこれをどうすれば良いのか法律事務所に相談に行くことにしました。

事例はフィクションです。

【解説】

 事例のAさんのように、罰金を払わず放置していると労役場という施設に収容されることになります。
 以下では、労役場の詳細について解説します。

1 労役場とは?

 労役場とは、罰金または科料の判決を受けた者がその罰金または科料を完納することができない場合に、その者を一定期間、労役に服させるために留置する施設のことです。
労役場という施設が存在しているわけではなく、刑務所や拘置場の中に併設されています。

2 労役場留置の根拠条文

 労役所留置は、刑法18条にその内容が規定されています。
刑法18条 (労役場留置)
 罰金を完納することができない者は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置する。
 科料を完納することができない者は、1日以上30日以下の期間、労役場に留置する。
 罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、3年を超えることができない科料を併科した場合における留置の期間は、60日を超えることができない
 罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない
 罰金については裁判が確定した後30日以内科料については裁判が確定した後10日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。
 罰金又は科料一部を納付した者についての留置の日数は、その残額を留置1日の割合に相当する金額で除して得た日数(その日数に1日未満の端数を生じるときは、これを1日とする。)とする。

3 労役場留置の期間

 刑法18条の文言から納付ができないそれぞれの場合の留置期間は以下のようになります。
罰金の場合
1日以上2年以下の期間

科料の場合
1日以上30日以下の期間

罰金の併科or罰金と科料を併科の場合
3年以内

・科料を併科した場合
60日以内

4 そもそも罰金と科料の違いとは?

 罰金とは、1万円以上の金銭の納付を命じる刑罰のことを言います。
※減軽する場合においては、1万円未満に下げることができます。

 科料とは、1000円以上1万円未満の金銭の納付を命じられる刑罰のことを言います。

5 労役場留置は短くできる?

 労役場留置は、未納の罰金や科料を完納することで当初の予定より期間を短くすることが可能です。
 本人は納付が難しいので労役場留置になっていると考えられるので、実際にはご両親など親族の方に不足金を工面してもらうことになるでしょう。

【事務所紹介】

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を数多く扱う法律事務所です。
 千葉県内に在住の方で、労役場に留置されてしまうのを回避するための弁護活動について知りたいという方は(罰金刑・科料になる前に不起訴を目指す等)、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

 24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)にて,皆様からのご相談をお待ちしています。

温泉施設への放火事件 千葉市花見川区

2022-03-06

千葉市花見川区の放火事件を例に、現住建造物等放火罪の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

千葉市花見川区の放火事件

Aさん(30代・男性)は、仕事のストレスを解消するために、千葉市花見川区の営業中の温泉施設の入り口に灯油をまき、火を点け、炎が燃え上がるのを確認し逃走しました。
火事に気付いた従業員による消火活動によって、火はすぐに消し止められ、けが人等は出ませんでした。
当時、温泉施設は営業しており、20数名の客が施設を利用していました。
後日、防犯カメラの映像などから、Aさんは、現住建造物等放火罪の疑いで千葉県千葉北警察署によって逮捕されました。
Aさんの逮捕を受けたAさんの家族は、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)

放火罪とは

放火罪は、不特定または多数の人の生命や身体、財産に危険を生じさせることに対する罪です。
刑法では、放火した対象物によって、適用される条文が変わります。

例えば、上記した千葉県花見川区の放火事件のように、犯人以外の人がいる住居や建造物に放火した場合は、現住建造物等放火罪にあたります。


刑法第108条 現住建造物等放火罪

放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

 


現住建造物等放火罪の法定刑は、殺人罪と全く同じです
つまり、人が住む住居に放火をした場合、非常に重い処罰が下される可能性があります

ここでいう建造物とは、例えば会社学校など人がいる建築物はもちろん、一時的な住まいである別荘や、物置小屋のような雨風をしのげるようなものまで含まれます。

上記した千葉市花見川区の放火事件の例では、Aさんが放火した温泉施設は営業中で、多くの従業員やお客さんがいました。
そのため、Aさんは現住建造物等放火罪の罪に問われるでしょう。
このとき、Aさんの放火による死傷者は出ませんでした。

しかし、現住建造物等放火罪は、死傷者の有無に関係なく成立する犯罪です。

そのため、放火による死傷者がいない場合でも、人が日常生活を送る場所に放火し住居が焼損した場合は、現住建造物等放火罪が成立することになります。

 

家族が放火の疑いで逮捕されたら

もし、ご家族が放火事件を起こした疑いで警察に逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部初回接見サービスをご利用下さい。

弊所の初回接見サービスでは、弁護士が留置されているご本人様と接見(面会)し、事件の内容を聞かせていただき、その後、ご家族へ事件の見通しについてご報告させていただくサービスとなっております。(有料)

放火事件など、刑事事件を起こして逮捕されてしまった場合、逮捕から3日以内は、たとえご家族様であっても、ご本人様と面会する権利が保障されていません。

しかし、弁護士ならば逮捕された直後から面会(接見)することができ、ご本人様やご家族に、取調べ対応や事件の見通しをお伝えすることが可能です。
不利な供述や、異なるニュアンスで調書が作成されてしまう前に、弊所の初回接見サービスをご利用ください。

放火事件のご相談は、フリーダイアル 0120-631-881 にて 24時間・年中無休 でご予約を承っております。

 

ご家族が逮捕されてしまった方は、すぐにお電話下さい。

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