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置引き!成立するのは窃盗罪?占有離脱物横領罪?
今回は、窃盗罪と占有離脱物横領罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【事案概要】
Vさん(31歳男性)は、友人グループで千葉県厚木市にあるショッピングモールに遊びに行きショッピングを楽しんでいました。買い物後、Vさんはベンチで休憩していましたが、しばらく休憩した後、立ち上がりその場を後にしました。
ベンチから100mほど離れたとき(時間にして5・6分位が経ったところ)休憩していたベンチにバッグを置き忘れてきた事に気が付きました。
Vさんは、慌ててベンチに戻りましたが、バッグはすでになくなっていました。
Vさんのバッグは、休憩していたベンチからVさんが離れた直後(10〜20mほど)にきた千葉県厚木市在住のAさん(37歳男性)が持ち去ってしまっていました。
Vさんは警察を呼び、警察はモール施設内の監視カメラをもとに、AさんがVさんのバッグを持ち去ったことを突き止め、Aさんを逮捕しました。
※ストーリーはフィクションです。
【解説】
・法的根拠
窃盗罪とは、「他人の財物」を「窃取する」ことにより成立する犯罪です。
「窃取」とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することをいいます(判例・通説)。
他方で占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)とは、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を自己のものにした場合に成立する犯罪です。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
・窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別
窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別は窃盗罪の構成要件が他人の占有する財物を奪う行為であることから両罪の区別は占有の有無によって行われます。
※占有とは、財物に対する事実上の支配を意味し、一般的に馴染みのある所持と同じ意味です。
・占有の有無
では、占有はいかなる場合に認められるでしょうか?
この点について、刑法は占有が認められるためには、客観的な要件として財物に対する事実上の支配が、主観的な要件として財物を支配する意思が必要であると考えています。
これらの客観的要件と主観的要件を総合的に考慮して社会通念にしたがって占有の有無を判断していきます。
・本件事案の占有の有無
それでは、本件事案のAさんに持ち去られたVさんのバッグには占有が認められるでしょうか?
ここで、公園のベンチにポシェットを置き忘れたことに、約200m(ポシェットを持って行かれたのは被害者がポシェットから約27m離れた地点)離れた時点で気が付いたという事例において、ポシェットに持ち主の占有が認められた判例(最決平成16・8・25)があります。
この判例をリーディングケースにすれば、本件事案のVさんのバッグにも、Vさんの占有が認められる可能性が高いでしょう。
そのため、占有のあるバッグを持ち去ったAさんには窃盗罪が成立することとなると考えられます。
刑事事件は早い段階での問題着手が事態を悪化させないために最も重要なことです。
【まとめ】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
千葉県厚木市でXさんのよう窃盗罪や占有離脱物横領罪などに問われ逮捕・勾留されるかもしれないという方や、執行猶予を付けたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。
無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の見通しや、弁護活動についてご説明致します。
24時間365日予約受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。
成田国際空港での窃盗事件(前編)
空港のターンテーブルでスーツケースを盗み窃盗罪で刑事事件化してしまった場合の刑事責任と刑事事件の展開について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。
成田国際空港での窃盗事件
千葉県在住のAさん(20代・大学生)は、成田空港で手荷物のタグと引換証のチェックが甘いことに目を付け、ターンテーブルから自分のものではないスーツケースを盗み、自宅に持ち帰りました。
その後、被害者Vさん(50代・男性)が被害届を提出したことにより、千葉県成田国際空港警察署による捜査が開始されました。
その後、防犯カメラ映像から、Aさんの犯行であると特定されたため、Aさんは成田国際空港警察署によって、窃盗罪の嫌疑で取調べを受けることになりました。
Aさんとその家族は、今後のことが心配となり、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)
本ブログは前編・後編に分かれています。後編はコチラ
窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別
窃盗罪(刑法235条)は、 他人の財物 を 窃取 した場合に成立する犯罪です。
窃盗罪が成立し、有罪判決が下されると、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。
窃取 は、他人の占有する財物を相手方の意思に反して自己の占有下に移転することをいいます。
これに対し、他人の占有が認められない財物を取った場合は、占有離脱物横領罪(刑法254条)が成立します。
占有離脱物横領罪が成立し、有罪判決が下された場合、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは過料が科されます。
窃盗罪と占有離脱物横領罪の分かれ目である占有の有無は、事実的支配と占有の意思から判断されます。
判断の際には、
① 財物の特性
② 財物の置かれた場所的状況
③ 時間的場所的近接性
④ 置かれた場所の見通し状況
⑤ 被害者の認識・行動
などが考慮されます。
上記した成田国際空港での窃盗事件のような場合、ターンテーブルが荷物検査した荷物を置く場所であることや、被害者がすぐ近くにいること、手荷物検査のために一時的に手放しただけで置かれた場所を把握していることなど、上記した②、③、⑤などから考えると、被害者の占有があるとみなされ、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
次回は、窃盗罪を起こしてしまった場合の刑事事件の展開について解説致します。
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