ストーカー規制法違反

ストーカーという言葉も今では珍しいものではありません。

時として甚大な被害をもたらすストーカー犯罪は,新聞,テレビ等の報道で耳にされた方も多いと思います。

ストーカー犯罪はストーカー規制法によって処罰されますが,同法は近時の改正で重要な変更がされています。

ここではストーカー規制法の改正事情も含めて,ストーカー犯罪について見ていきましょう。

 

ストーカー行為等の規制等に関する法律

ストーカー規制法の正式名称は,「ストーカー行為等の規制等に関する法律」になります。

ストーカー規制法は文字どおり「ストーカー行為(ストーカー規制法2条2項)」を規制の対象としていますが,「つきまとい等(同法2条1項)」も規制対象にされています。

 

「つきまとい等」とは

尾行してつきまとう,被害者の行動を告げて監視していることを気づかせる,面会や交際を迫る,無言電話をかけるなどの行為を指します。

同一の者に「つきまとい等」を繰り返すと,「ストーカー行為」に該当します。

要するに,つきまといがエスカレートすると,ストーカー行為と認定されます。

 

ストーカー規制法に違反した場合の一般的な流れについて

つきまとい等を受けた被害者からの申出を受け,警察本部長又は警察署長が,加害者につきまとい等を行わないように警告を行います(同法4条1項)。

それでもつきまとい等が続く場合,被害者の申出や職権により,公安委員会から禁止命令(同法5条1項)が出されます。

禁止命令に違反した場合,罰則として懲役又は罰金を受けます。

このように,つきまとい等に対する規制は段階が踏まれており,警告や禁止命令が出た段階ですぐに刑罰を受けるわけではありません。

これに対して,ストーカー行為に該当してしまった場合は,警告や禁止命令という段階なしに,刑罰を受けることになるため,注意が必要です。

以上が一般的な流れですが,ストーカー規制法が改正されたことで,より早く規制が及ぶ場合があります。

法改正では,警告を経なくても禁止命令を行うことができるようになりました

また,禁止命令を出す場合は事前に加害者の言い分を聞く機会があるのですが,緊急の場合には,この機会を命令が出された後にしてもよいことになりました。

他にも,ストーカー行為に対する罰則が,懲役6月以下又は罰金50万円以下から懲役1年以下又は罰金100万円以下に,禁止命令違反に対する罰則が懲役1年以下又は罰金100万円以下から,懲役2年以下又は罰金200万円以下に引き上げられています。

以上のように,ストーカー規制法が改正されたことで,禁止命令の出されるタイミングが早まり,各種罰則も重くなっています。

また,執拗なつきまといが伴う犯罪であるため,刑事事件化した場合に,被害者に会って示談を行うのも難航します。

刑事処分を回避するには,法律の専門家である弁護士へ依頼するのが,解決への近道になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件を扱う弁護士事務所として,適切に被害者との示談を進めて,迅速な解決に努めます。

ストーカー犯罪を行ってしまいお悩みの際には,ぜひ一度ご相談ください。

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