性犯罪と親告罪、性犯罪の処罰根拠法令

性犯罪と呼ばれる犯罪には,不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪;刑法176条)や不同意性交等罪(旧強制性交等罪;刑法177条)があります。

これらの犯罪は、親告罪ではないため、被害者の告訴の有無に関わらず、検察官によって起訴された場合は、裁判となります。

親告罪とは

親告罪とは,被害者が告訴,すなわち,加害者に対して刑事処罰を求める意思表示をしない限り,検察官に起訴されて裁判になることがない犯罪を指します。

それゆえ,例えば,被害者に謝罪をして被害弁償を尽くした結果,被害者が任意に告訴を取りやめてくれた場合には,裁判にならずに済むのです。

この場合,前科もつきません。

名誉毀損罪(刑法230条)や器物損壊罪(刑法261条)など、処罰を被害者の意思に委ねるのが良いと考えられる犯罪が親告罪とされています。一方、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪は被害が甚大で被害者の精神にも大きな負担となっているため、非親告罪とされており,被害者が告訴をしていなくても起訴される可能性があります。

性犯罪の特徴としては,一見似たような行為でも,処罰の根拠法令が異なる場合があるということが挙げられます。

電車内での痴漢行為を例に挙げてみましょう。

性犯罪の処罰根拠法令

刑法に痴漢罪という名前の罪名はありませんが,いわゆる痴漢行為は、不同意わいせつ罪に該当することがあります。

一方,痴漢行為は、行為態様によっては、各都道府県が制定する,迷惑行為防止条例に違反する行為となる場合もあります。

両者の区別は,痴漢行為の態様によります。

一般に,着衣の上から被害者の身体に触れた場合には迷惑防止条例違反に,下着の中にまで手を入れた場合は不同意わいせつ罪に該当することが多いとされています。

このように,一見して似たような行為でも,片や刑法,片や条例と処罰根拠が異なり,科される刑罰の重みも変わりうるのが性犯罪の特徴です。

他にも,盗撮については性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律に該当します。また、一部の盗撮行為やのぞき行為は公共の場で行えば上記の迷惑防止条例に違反しますが,個人宅に忍び込んで行ったような場合は,地域によっては迷惑防止条例違反に該当せず、軽犯罪法という法律で処罰されます。

18歳未満の児童と性交渉に及んだ場合,金銭の授受を約束していれば児童買春・児童ポルノ禁止法違反に,そのような約束がなければ各都道府県が制定する淫行条例違反になります。

児童に対する事実上の影響力を行使した場合には,児童福祉法に違反します。

性交等した児童が16歳未満(ただし、児童が13歳以上の場合は、行為者が児童が生まれた日よりも5年以上前の日に生まれた場合に限ります。)だった場合は,たとえ合意のうえでも不同意性交等罪に該当します。

以上のように,性犯罪は自身の行為がどの法令によって処罰されるのかが分かりにくいという特徴があります。

また,性犯罪が被害者に与えるダメージはとても大きいため,被害者が恐怖感から示談交渉に応じられないということが往々にしてあります。

このような場合は,法律の専門家である弁護士へ依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件を扱う弁護士事務所として,依頼者様の置かれた状況を的確に説明するとともに,被害者との間に入って示談交渉を円滑に進めるように努めます。

性犯罪の加害者になってしまいお悩みの方は,まずは一度ご相談ください。

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