身分を隠してホテルに宿泊したとして暴力団組員4人を逮捕~千葉県在住の男性らが逮捕された詐欺事件~
今回は、自分の身分を隠してホテルに宿泊した疑いで千葉県在住の暴力団組員らが詐欺罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
<事案概要>
暴力団の身分を隠してホテルに宿泊したとして、福岡県警は29日、特定危険指定暴力団の傘下組織幹部である千葉県市川市在住の男性A(45)ら4人を詐欺の疑いで逮捕したと発表しました。
(中略)
県警によると、4人は昨年1月9日、暴力団組員の宿泊を拒否する宿泊約款の条項にサインし、福岡市内のホテルにそれぞれ1部屋ずつ借りて1泊した疑いが持たれています。
(※2/29に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「身分を隠してホテル宿泊容疑 千葉の工藤会傘下組織幹部ら逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)
<身分を隠してホテルに宿泊すると詐欺罪に問われる?>
この報道を見て「身分を隠してホテルに宿泊すると詐欺罪になるの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
厳密にいうと、身分を隠したことが詐欺罪に該当したのではなく、暴力団という身分を偽って宿泊約款の条項にサインして宿泊したことが詐欺罪に該当すると考えられます。
詐欺罪については、刑法第246条で以下のように規定されています。
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪は、欺罔行為によって相手が錯誤に陥り、その錯誤に基づいた財物の処分(交付)行為によって財物が移転した場合に成立します。
欺罔(ぎもう)行為とは相手を騙す行為を指し、錯誤とは事実ではないことを事実と思ってしまうような勘違いや思い違いを指します。
今回の事例で考えてみましょう。
Aらが宿泊したホテルの宿泊約款には暴力団組員の宿泊を拒否する条項が記載されていました。
つまり、本来であれば暴力団組員であるAらはこのホテルに宿泊できません。
ですが、Aらは暴力団であることを隠して宿泊約款に署名しています。
これは、Aらのホテルに対する欺罔行為と考えられます。
Aらの欺罔行為によって、ホテルはAらが暴力団組員ではないと錯誤に陥り、宿泊場所を提供し、Aらは宿泊しています。
ホテルが宿泊場所をAらに提供した行為は財物の交付行為に該当し、Aらが宿泊したことは財産上不法の利益を得たと考えられるため、今回のAらの行為は詐欺罪に問われる可能性があるということです。
<詐欺罪で逮捕されたら弁護士へ>
詐欺罪の罰則は10年以下の懲役刑のみで、罰金刑による罰則規定はありません。
つまり、詐欺事件を起こして起訴されると、公判請求されて刑事裁判が開かれるということです。
また、今回の事例のように詐欺罪は逮捕される可能性も高く、逮捕後に勾留決定となり最大20日間身柄が拘束される可能性も十分にあります。
詐欺事件を起こしてしまったという方や、ご家族が詐欺事件を起こして逮捕されてしまったという方は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に刑事弁護活動を依頼すれば、弁護士が代理人として、早期釈放や不起訴処分の実現を目指すための弁護活動や、万が一起訴された場合にもなるべく軽い減刑判決を獲得できるような弁護活動に尽力します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪はもちろん、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
千葉県内で詐欺事件を起こしてしまった方や、ご家族が詐欺事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。