嫌疑不十分とは?不起訴の中にも種類がある?~千葉県香取市で起きた過失運転致傷事件~
今回は、千葉県香取市で起きた過失運転致傷事件で嫌疑不十分による不起訴処分となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
<事案概要>
2023年5月、千葉県香取市で道路を横断していた小学生の女の子を軽乗用車ではねたとして過失運転傷害の疑いで逮捕された女性(62)について、千葉地検は2024年2月16日付で嫌疑不十分で不起訴処分としました。
千葉地検は不起訴の理由について「過失を認めるだけの証拠がなかった」としています。
(※2/16に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「登校中の女子小学生を車ではね逮捕の女性 嫌疑不十分で不起訴処分 千葉地検」記事を引用しています。)
<不起訴#処分とは>
不起訴処分とは、その名の通り「起訴をしない処分」を指します。
起訴とは、刑事事件を起こした疑いがかけられている被疑者に対して、警察や検察などの捜査機関が取調べを行い、被疑者に罪を犯した事実があり、処罰を与える必要があると検察官が判断した場合に行われる処分を指します。
起訴されれば、その罪で規定されている懲役刑や罰金刑などの罰則の範囲内で処罰されることになります。
起訴には、刑事裁判が開かれて懲役刑が言い渡される公判請求(正式起訴)と、刑事裁判は開かずに罰金刑が言い渡される略式起訴があります。
ただ、どちらにせよ起訴された時点で前科が付くことになります。
前科が付くことを免れるためには、不起訴処分を獲得する必要があります。
不起訴処分となれば、そこで事件が終了するため、前科が付くこともありません。
<不起訴にも種類がある?>
不起訴処分の中でも、検察官が不起訴と判断した理由に応じていくつかの種類に分かれます。
細かく分けると全部で20種類の不起訴がありますが、今回は主に使われている3つの不起訴の種類について説明します。
①嫌疑なし
嫌疑なしによる不起訴処分は、捜査の結果、被疑者が犯人でないことや犯罪の成立を認定する証拠がないことが明確な場合に下されます。
②嫌疑不十分
嫌疑不十分による不起訴処分は、被疑者が犯人ではないという嫌疑が確実になくなったわけではないけど、被疑者が犯人であることを認定する証拠が不十分である場合に下されます。
③起訴猶予
起訴猶予による不起訴処分は、犯罪が成立していることは明白で被疑者も事実を認めており、検察官は起訴して刑事裁判で有罪を立証することも可能だけど、検察官が被疑者の事情に配慮して下されます。
<不起訴処分を獲得するには弁護士に相談>
不起訴処分を獲得する可能性を少しでも上げるためには、被害者がいる刑事事件の場合、被害者との示談を締結することが重要になります。
被害者と示談を締結して被害者の処罰感情も和らいでいると検察官が分かれば、起訴猶予による不起訴処分が下される可能性が高まります。
また、示談書に被害者から被疑者に対する刑事処罰を求めないといった旨が記載されている宥恕(ゆうじょ)条項を取り付けることができれば、さらに不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
弁護士に依頼することで、法的効果がある適切な内容の示談書で被害者と示談交渉を行ってくれるため、当事者間での示談交渉よりもスムーズに進みやすいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者との示談を締結して不起訴処分を獲得した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
千葉県内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部までご相談ください。