強制性交等罪・準強制性交等罪

1 条文・犯罪の概要

⑴ 条文

  1. 強制性交等
     177条
    13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする
  2. 準強制性交等
    178条2項
    人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
  3. 監護者性交
    179条2項
    18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条の例による。
  4. 強制性交等致死傷
    181条2項
    第177条、第178条第2項若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。
  5. 強盗・強制性交等及び同致死
    第241条
    (1項)
    強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第百七十九条第二項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。
    (2項)
    前項の場合のうち、その犯した罪がいずれも未遂罪であるときは、人を死傷させたときを除き、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思によりいずれかの犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
    (3項)
    第1項の罪に当たる行為により人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する

 

⑵ 法改正のまとめ

  1. 名称変更
    男性の被害者も含めるため、強姦罪から、強制性交等罪に名称が変更されます。
    ※強姦という言葉は、被害者が女性を意味するものだと考えられています。
  2. 厳罰化・非親告罪化
    強姦に当たる強制性交等罪の下限が、現在の3年から5年に引き上げになりました。
    強姦致死傷罪に当たる強制性交等致死傷罪の下限は、現在の5年から6年に引き上げられました。
    また、非親告罪となります。
    ただし、被害者の方の名誉のため、捜査機関の判断により、従来どおり、被害者の方が起訴を望まない場合には、起訴しないようにする運用がなされることとされています。
    ※法改正の主眼が、被害者の方に告訴をさせるという負担をなくすためのものなので、被害者の方が起訴を望まない場合、捜査機関としても起訴は避ける方向で運用をするとされています。
  3. 処罰対象の拡大
    強制性交等罪では、口腔性交、肛門性交も処罰されるようになり、また、被害者に男性を含めることになりました。
  4. 集団強姦罪・同致死傷罪の廃止
    単独犯の法定刑が引き上げられた関係で、廃止されました。
  5. 監護者であることによる影響力を利用したわいせつな行為又は性交等に係る罪の新設
    18歳未満の児童に対し、監護者(通常は親権者)が、監護者の地位を利用した場合、新たな罪が成立することが予定されています。
    なお、よくあるケースとして、母の内縁の夫が監護者に当たるかについては、個々の事案ごとに判断されるとのことですが、判断基準については、裁判例が蓄積されていくのを待つ必要があります。
  6. 附則について
    法改正における附則によって、性犯罪の実態に即して、更なる改正も視野に入っています。
    なお、改正法については、暴行・脅迫の程度が小さい場合であっても、事実上抵抗できない場合に、何らの性犯罪も成立しないとするのはおかしいとして、中間的な犯罪を規定すべきという意見があります。

 

⑶ 犯罪例

騒いだら殺すぞなどと脅して、男性器を被害者の女性器に挿入する場合です。

この挿入については、一部でも挿入されたら、犯行として既遂と考えられています。

改正法では、肛門や口腔への性器の挿入も強制性交等罪で処罰されます。

また、男性が被害者の場合も犯罪が成立します。

性器への挿入と比較して量刑上の違いが出るかについては、裁判例の蓄積を待つ必要があります。

更に、13歳未満(12歳以下)の被害者に対しては、暴行脅迫がなくても、又は同意がある場合でも、性交等をした場合は、強制性交等罪が成立します。

また、強制性交の機会に、被害者が怪我をしていれば、強制性交等致死傷罪となります。

簡単に言うと強制性交をして怪我・死亡させた場合です。

死傷結果は、強制性交行為から生じた場合や、手段たる暴行・脅迫から生じた場合のみならず、死傷の結果との相当因果関係がある場合も含むと考えられています。

具体的には、被害者が逃走中に転倒して負傷した場合を含まれます。

 

2 弁護活動の例

⑴ 示談交渉

法改正により、告訴がなくても、本罪は起訴できるようになっていますが、現在のところ、捜査機関として、従来の運用を変更することはないとしているため、示談によって被害者の処罰感情が緩和され、刑事裁判を望まない場合については、起訴されることはないと考えられます。

そのため、強制性交の事件で警察から逮捕又は捜査を受けた場合でも、起訴前に示談や賠償を行うことで裁判意向を取り消してもらうことが出来れば、不起訴処分により前科はつかない可能性が高いです。

強制性交等致死傷罪は元々非親告罪ですので、示談したからといって、必ず不起訴になるというわけではありません。

また、強制性交等罪で起訴され裁判になってしまった場合でも、被害者との間で示談や被害弁償を行うことで、量刑上、有利に考慮されます。

なお、強制性交等致死傷罪は裁判員裁判となりますが、裁判員裁判の場合、従前の裁判官による裁判よりも、示談の事情は考慮されにくくなっています。

さらに、強制性交事件では、容疑者とされた人が逮捕・勾留によって身柄を拘束されることがほとんどですが、示談をすることで釈放・保釈の可能性も高まります。

示談によって早期の職場復帰・社会復帰を図ることもできるといえます。

 

⑵ 無罪主張

性行為をしていない場合や、性行為について相手方の同意があった場合、暴行・脅迫がない場合、犯罪に当たらないにもかかわらず捜査機関から強制性交等罪の容疑をかけられてしまうこともあります。

そのような場合は、弁護人を通して捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、不起訴処分・無罪判決に持ち込む弁護活動をしていくことになります。

このような場合、弁護士を介して、取調べ対応についての的確なアドバイスをしたり、客観的な証拠に基づいて被害者の供述が信用できないことを主張するなどして、検察官や裁判所の裁判官に不起訴処分又は無罪判決を訴えていくことになります。

 

⑶ 早期釈放

強制性交罪等で逮捕された場合、身柄拘束を解いて釈放されるのは非常に難しいですが、検察官に対して勾留請求せずに釈放するよう働きかけを行い、裁判官に対しては勾留せずに釈放するよう法的手続きをとることで早期釈放を目指します。

また、示談による釈放又は起訴後の保釈を請求することで、早期の社会復帰を実現する可能性が高まります。

 

⑷ 更生(再犯防止)環境の構築

依頼者の方と相談しつつ、必要であれば矯正プログラムの検討とともに証拠提出の上、再犯防止に向けてサポートします。

繰り返し性犯罪で捕まった場合、反省や更生がされていないとして、重い処分がなされる可能性が高まります。しかし、そのような常習者のなかにも自らをコントロールできずに繰り返してしまう方がいます。このような場合には医療機関などの専門機関への受診と治療などを行い、根本からの改善を試みるように促します。

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