風営法違反でクラブやガールズバーが摘発されたという報道を耳にされたことがあるかもしれません。
ここでは風営法が定める罰則について確認していきましょう。
罰則
風営法の正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」になります。
風営法あるいは風適法と略されますが,同じ法律を指しています。
風営法は名前のとおり,風俗営業を規制する法律です。
風俗営業と言うと,ソープランドやファッションヘルスをイメージされる方も多いかもしれませんが,バーや麻雀店,ゲームセンター等も風営法において風俗営業とされています。
性的サービスがないから風俗営業に当たらないと誤解していると,風営法違反になってしまうため注意が必要です。
風営法では,規制対象となる風俗営業を5つの類型に区分しており,1号営業から5号営業と呼ばれます(風営法2条1項)。
ソープランド等は,性風俗関連特殊営業(風営法2条6項)として規制がされます。
風営法に違反した場合,刑事罰だけでなく,行政処分を受ける可能性もあります。
行政処分の種類には,営業許可の取消し(風営法26条1項),営業停止(同),指示(同法25条)があります。
これらの行政処分は刑事罰ではありませんが,営業許可の取消しや営業停止という,経営者にとって大きな影響を及ぼすため,注意が必要です。
風営法違反で最も多いのは,無許可営業(風営法49条1号)になります。
その理由は,風俗営業の許可(風営法3条1項)を得るために,様々な制約があるためです。
まず,風俗営業を行う店舗の構造や場所に,条件が課されます。
また,許可申請者が過去に無許可営業を行っていた場合,欠格事由として許可が降りません。
他にも,許可を受けてから,深夜から朝方にかけての営業が禁止されるなどの制約もあります。
このように,許可を得るまでの準備や許可後にかかる制約が煩わしいとの理由で,無許可営業をしてしまうのです。
そして,いったん無許可営業を始めてしまうと,今後もばれないだろうと高を括って,摘発されるまで無許可営業を続けてしまうことが少なくありません。
しかし,風営法は無許可営業に対して,「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する(風営法49条1号)」と定めています。
つまり,刑務所に収容されるうえ,高額な罰金まで払わなくてはならないことになります。
さらに,無許可営業は風俗営業許可の欠格事由になるため(風営法4条1項2号イ),刑を受け終えてから正規に許可を得ようとしても,認められません。
以上のように,無許可営業は軽くはない刑罰を科され,正規の許可取得の途も閉ざされることになるため,経営者にとって大きな打撃になります。
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風営法違反で刑事事件化してしまった場合は,ぜひ一度ご相談ください。