他人に液体をかけると問われる罪は暴行罪?器物損壊罪?~千葉県柏市で起きた暴行事件~

他人に液体をかけると問われる罪は暴行罪?器物損壊罪?~千葉県柏市で起きた暴行事件~

液体 暴行罪 器物損壊罪

今回は、千葉県柏市の路上で女性の背中に液体をかけたとして男性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

柏署は22日、暴行の疑いで千葉県柏市在住の男性A(28)を逮捕しました。

逮捕容疑は昨年11月10日、同市内の路上で、歩行中の10代女性Vに、背後から近づき、Vの背中に液体をかけた疑いです。

同署によると、Aは「転勤後に人間関係でストレスがたまり、ストレス解消でやってしまった」と容疑を認めているとのことです。
2人に面識はなく、Vが110番通報して発覚し、周辺の防犯カメラ映像などの捜査からAの関与が浮上しました。
(※2/23に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「10代女性に液体かける 容疑で会社員の28歳男逮捕「ストレス解消でやってしまった」 千葉・柏の路上」記事の一部を変更して引用しています。)

<液体をかけて問われる可能性がある罪>

他人に液体をかける行為は、暴行罪器物損壊罪に問われる可能性があります。

まず、暴行罪について見ていきましょう。
暴行罪については、刑法第208条で以下のように規定されています。

刑法第208条(暴行)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

液体をかける行為が暴行罪に問われる可能性があると聞いて「暴行罪って殴る蹴るのような暴力行為をすることで成立するのでは?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
確かに、暴行罪は殴る蹴る等の暴力行為を加える場合に成立します。
ただ、暴行罪が成立する「暴行」はこれだけではありません。

暴行罪における暴行とは、人の身体に対する不法な攻撃方法の一切を言うと解釈されています。
人に液体をかける行為も、もちろん人の身体に対する不法な攻撃方法と考えられるため、他人に液体をかける行為は暴行罪に問われる可能性があるということです。

一方、液体が相手(被害者)の身体ではなく衣服や持ち物にかかった場合は、暴行罪ではなく器物損壊罪に問われる可能性があります。

器物損壊罪については、刑法第261条で以下のように規定されています。

刑法第261条(器物損壊等)

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪は、物を壊すだけでなく、その物本来の効用を害することでも成立します。
いきなり知らない人から液体をかけられた場合、液体を拭き取ったとしても再び使おうとする人は少ないでしょう。
そのため、他人に液体をかける行為は器物損壊罪に問われる可能性があるということです。

<事務所紹介>

今回のAのように、他人に液体をかけたことによる暴行事件を起こした場合、不起訴を獲得するためには被害者との示談を成立させることが重要なポイントになります。

ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことが多く、かえって別のトラブルに発展するおそれもあります。
なので、被害者との示談を成立したい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行事件はもちろん、様々な刑事事件で被害者との示談を成立して不起訴を獲得した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

千葉県内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

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