痴漢をして逮捕されたというニュース報道を耳にされたことはあると思います。
特別な知識や道具が不要で,満員電車ならばれないだろうという思い込みがあるために,痴漢はなくならないのかもしれません。
ここでは,架空の事例をもとに,痴漢で逮捕された場合に刑事手続がどのように進むのかを確認していきましょう。
事例
Aは勤務先から帰宅する途中に,電車内で女子大生Bのスカート内に手を伸ばし,下着の中に手を入れて臀部を撫でまわした。
Aの痴漢行為はそばにいた乗客に目撃されており,Aは次の駅で駅員に引き渡された。
Aは臨場した警察官により,痴漢を理由に逮捕された。
(フィクションです。)
該当する罪
Aは着衣の中に手を入れてBの身体に触れているため,迷惑行為防止条例違反ではなく,不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪;刑法176条)に該当する可能性があります。
不同意わいせつ罪は6月以上10年以下の懲役が刑罰として定められており,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる迷惑行為防止条例違反よりも刑が重くなります。
逮捕されると
逮捕されたAは警察署内の留置所に拘束されることになります。
逮捕されると最大で72時間拘束されますが,検察官は捜査をするうえで必要と判断した場合,拘束期間の延長を裁判所に求めます。
裁判所が延長を許可すると,最大で20日間拘束を受けることになります。
逮捕から合算すると,最大23日もの間,拘束が続きます。この期間内に,検察官は起訴(裁判にかけることを言います。)するかを決めます。
起訴された後も,保釈請求が認められる等の事情がなければ,裁判中も拘束は続きます。
先ほど確認したとおり,不同意わいせつには罰金刑はないため,有罪なら懲役刑が下されます。
起訴を避けるには,被害者との示談を検討する必要があります。
不同意わいせつ罪では,被害者との間で示談が成立しているか否かが,検察官が起訴,不起訴を決するにあたって非常に重要な事情とされています。
もっとも,逮捕中は身体が拘束され,家族との面会も制限される可能性があるため,被害者との示談は弁護士を介して行うことが望ましいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件を扱う弁護士事務所として,起訴を回避に向けて適切な初動対応を行います。
事実関係に間違いがないのであれば,早急に示談を進めることが,被害者の被害回復と加害者の更生に寄与します。
痴漢で逮捕されてしまうかご不安な方は,まず一度ご相談ください。