駅周辺の道路上や商業施設、郊外の土手などに、何か月も自転車が放置されているのを目にしたことがある方も多いと思います。
では、その自転車を「捨てられてるなら大丈夫」と自分のものにしてしまった場合、どのような罪に問われてしまうのか、あいち刑事事件総合法律事務所千葉が解説します。
~千葉市内での自転車盗事件~
Aさんは会社の帰りに同僚らと飲酒をしていました。
話が盛り上がり、解散して自宅近くの稲毛駅に到着したときには、すでに日付が変わってしまっていました。
翌日も仕事があるAさんは、一刻も早く家に帰ろうと駅を出たとき、道路上に鍵が壊れた状態で放置されている自転車が目に留まりました。
自転車の状態はフレームも錆びて、鍵も壊れていたことから、Aさんは、その自転車が捨てられているものだと思ったのです。
そして、「どうせ捨てられているなら自分が使っても問題ない」という考えが頭に浮かび、その自転車に乗って自宅まで帰ることにしたのです。
自転車に乗ってしばらく進んでいると、突然、バイクに乗った警察官に声を掛けられ、職務質問を受けることとなってしまいました。
Aさんは、自転車を調べられてはまずいと思い、警察官の職務質問を振り切って逃走しましたが警察官に確保され、泥酔者として保護されてしまいました。
千葉北警察署の保護施設で一夜を明かし、目が覚めたAさんの保護は解除されましたが、警察官から突然、逮捕状を示され、窃盗事件の犯人として逮捕されてしまいました。
※ 本件事例はフィクションです。
解説
放置されていた自転車を自分のものとして使用したAさんは、はたしてどのような罪に問われてしまうのでしょうか。
道路上に放置されていたとはいえ、Aさんのものではない第三者の自転車を乗り出した(≒盗んだ)Aさんですから、まず第一に窃盗の容疑で捜査される可能性は高いと考えられます。
窃盗罪
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
しかし、窃盗罪が成立するためには、被害品となった財物(価値のあるもの)に対する「被害者(≒所有者)」の占有が残っているかがポイントとなっています。
例えば、自転車の場合、あなたが使い終わって家の駐輪場に停めていたのであれば、その自転車は、あなたの管理下(占有)にあると言えます。したがって、あなたの家の駐輪場から自転車が持ち去られてしまった場合、その犯人は窃盗罪に問われるでしょう。
ですが、自転車をあなたが外出先のどこかに忘れてきてしまったとします。
そして、あなたが自転車で外出していたことを忘れ、別の方法で帰宅してしまいました。
そうした状況下にある自転車は、当然あなたの持ち物であることには変わりありませんが、法律上では、自転車があなたの管理下(占有)にあるとは言えなくなってしまいます。
管理下にないあなたの自転車を犯人が見つけて乗って行ってしまった場合、この犯人は窃盗罪ではなく、次に説明する「遺失物横領罪(≒占有離脱物横領罪)」の罪に問われてる可能性が高くなります。
遺失物横領罪
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
窃盗罪と比較すると刑罰は軽いように思えるかもしれませんが、犯罪は犯罪です。起訴されてしまえば、当然、前科がつくことになってしまいますし、罰金や科料を収めたり、懲役刑に処されてしまう場合があります。
犯罪を犯してしまった場合、いち早く、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
~ご家族が逮捕されてしまったら~
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その後、もし、正式に弁護人としてのご依頼を頂いた際は、示談締結に向けた活動や裁判に向けての準備など、ご本人様に科される刑罰が少しでも軽くなるための弁護活動を致します。
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