【解決事例】免許証を持っていたはずが無免許に!?

 無免許運転をしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 千葉県流山市に住んでいるAさんは、小学生の息子さんとドライブを楽しんでいました。
 千葉県佐倉市内を走行中、追い越し禁止場所で前方を走行中の車を追い越したところ、警察官に現認され、道路交通法違反(禁止場所追い越し)として検挙されてしまいました。
 警察官の指示に従い車を停止させたところ、運転免許証の提示を求められました。
 実はAさんは運転免許証の更新手続きを行っておらず、実に10年間もの間、運転免許証の有効期限が切れた「無免許」状態であったのです。
 そのことが、今回の違反によって警察官に発覚してしまい、Aさんは道路交通法違反(無免許運転)で現行犯逮捕されてしまうことになったのです。

※守秘義務の関係上、一部事実と異なります。

~無免許運転の要件と法定刑~

 無免許運転については、道路交通法によって次のように定められています。

無免許運転 道路交通法64条1項


 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第五項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

※ここでいう自動車とは、道路交通法第3条で次のように説明されています。

自動車は、総理府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)及び小型特殊自動車に区分する。  

 そして道路交通法117条の2の2には「次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められ、1号に「法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者」と記載しています。

 今回の事例でAさんは、運転免許の効力が停止されている状態で、自動車を運転していたため、無免許運転に該当し、逮捕されることになりました。

~無免許運転で逮捕された場合~

 警察官は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に,被疑者を釈放する検察官へ送致するか決めなければなりません。
 送致を警察官から受けた検察官は、同じく,被疑者を釈放するか,裁判官へ勾留を申請するか24時間以内に決定します。
 そして裁判官が勾留を決定すると、留置所で10日間、検察官が延長を請求すれば最大20日間身体を拘束されることになります。

 つまり,一度逮捕されてしまうと,最大で23日間も身体拘束されることになります。
 外部との連絡も制限されるため、連日の取調べや捜査への対応による精神的苦痛も多大なものになるでしょう。

 その事態を避けるには速やかに刑事事件の経験と実績が豊富な弁護士に依頼し、釈放を求める身柄解放の活動をすることが重要になります。
 勾留が決定するまでの期間は短いため、釈放を求めるための書面や身元引受人の準備など、弁護士を通じて早期の対応することが求められます。

 今回のケースでは、Aさんが持病を有しており、勾留が長期化してしまうとAさんの健康状態が悪化してしまうおそれがありました。
 そのため、ご依頼いただいた後すぐに、検察庁と裁判所に対し在宅捜査を求める意見書を提出するなどの働きかけを行ったところ、Aさんは勾留されることなく帰宅することが出来ました。
 通常、無免許運転の期間が長く、常習化していた場合、実刑判決(≒懲役刑)となる場合があります。
 そのため、Aさんが釈放された後も、処分を少しでも軽いものとなるよう継続して活動を行ったところ、執行猶予付きの判決を得ることができ、Aさんは日常生活へと戻ることが出来たのです。

 なお,車やバイクなどの車両を運転し違反を犯してしまった場合、軽微な違反で違反内容に争いが無ければ、交通反則通告制度が適用されます。
 交通反則告知書(通称、青切符反則金納付書がその場で交付されますので、期日までに反則金を納付すれば、刑事責任を問われることはありません。(運転免許に点数が付与される行政上の処分を受けることにはなります)

 ですが、大幅な速度超過のような重大な交通違反ではその限りでなく、刑事手続き(≒交通事件)の対象となります。
 この場合は上記の青切符での処理ではなく、告知票・免許証保管証(通称、赤切符が作成されます。その後は刑事手続きが行われます。
 青切符とは違い、刑事罰が科されることになってしまい、場合によっては懲役刑など重い刑罰が科されてしまうこともあります。
 また、今回のケースのように逮捕されてしまう可能性もありますので、たかが交通違反と過信せずに注意することが大切です。

※大変申し訳ございませんが、現在、弊所では青切符による行政処分に関するお取り扱いはしておりません。交通事件の取り扱いはございますので、まず一度ご相談下さい

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、無免許運転などの道路交通法違反を含めた刑事事件を数多く扱っている弁護士事務所です。
 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます
取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弊所では逮捕、勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しております。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、さいたま、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と、全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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