偽計業務妨害罪で逮捕~無言電話の事例を解説~

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が偽計業務妨害事件について事例を用いて解説致します。

【事例】

 千葉県千葉市中央区でスナックを経営しているAさんは、「お店から出るカラオケの音や話し声がうるさい」という理由で、何度も警察官がお店まで来て、注意を受ける状況に不満を募らせていました。
 そこで、Aさんは、「自分のお店が嫌がらせ受けているのだから、自分も嫌がらせをしてやる」と、1月18日午後10時19分頃から翌19日午前6時33分頃までの間、複数回にわたり、千葉中央警察署に電話をかけ、無言電話等を繰り返し、正常な業務の遂行を困難にさせたとして、Aさんは逮捕されることになりました。

この事例はフィクションです

【解説】

 正当な理由もなく、嫌がらせをする目的で警察署に無言電話を繰り返し、警察の正常な業務遂行を妨害したAさんは、偽計業務妨害に問われる可能性があります。

1 偽計業務妨害罪とは?

偽計業務妨害罪とは、刑法に規定された犯罪の一つであり、人の社会的活動の自由を保護することを目的としています。

刑法第233条  信用毀損及び業務妨害

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 偽計業務妨害罪の成立要件

偽計業務妨害罪の成立要件は以下のようになります。
①「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて」
②「業務」を
③「妨害」したこと

今回の事例では、用がないのに無言電話を繰り返すという「偽計」の方法によって、千葉中央警察署の警察官の「業務」を「妨害」した事件でした。

偽計」とは、人の勘違いを利用したり、人を騙したりすることを指します。
本来、事件や事故、困りごとを相談する警察署の窓口(電話番号)に、そういった用もなく無言電話をすることは、対応する警察官を騙したと捉えられることがあります。

業務」とは、継続して従事することが予定されている事業や事務のことを指します。
利益を目的としたもの、いわゆるビジネスなどのことを指すほか、PTA活動や地域の自治体、ボランティア活動などの特に利益を求めない(非営利)活動、も含まれるとされています。

妨害」とは、その対応のために通常の業務を行うことができなくなったり、利益を得ることが出来なくなったなど結果が生じたものだけに限らず、実際に結果は発生していなくても、円滑な業務運営が妨害されるおそれがあると認められれば、「妨害」にあたるとされています。

そのため、軽い気持ちで行った悪戯や嫌がらせでも、捜査を受けたり、最悪の場合、逮捕されることにも繋がりかねませんので、ご不安な点がある場合は、一度、弁護士にご相談下さい。

3 偽計業務妨害罪の法定刑

偽計業務妨害罪の法定刑は以下のようになります。
1ヶ月以上3年以下の懲役又は1万円以上50万円以下の罰金

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が偽計業務妨害事件について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
千葉県千葉市周辺に在住の方で、ご家族が警察に逮捕されてしまった方や、刑事事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。

また、弊所では初回無料の相談もお取り扱いしておりますので、事件や事故を起こしてしまってお困りの方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

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