【解決事例】危険薬物の所持で送致されるも不起訴に

~事案概要~

 Aさんは,趣味のバイクでツーリングに出掛けたところ,千葉県八千代警察署の警察官から停止を求められて職務質問を受けることになりました。
 Aさんは職務質問に素直に応じ,カバンを見せたところ,ラベルの貼っていない小瓶が見つかりました。
 その小瓶は,Aさんが以前,居酒屋で食事をしていたところ,同じく客として来店していた外国人譲られたもので,「RUSH(ラッシュ)」と呼ばれる危険なドラッグだったのです。
 そして,Aさんは捜査の結果,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律違反」の罪で検挙されてしまいました。

 守秘義務の関係で,一部,事実と異なる表記がございます。

~Aさんの刑責~


危険ドラッグ【RUSH(ラッシュ)】とは?

 芸能人タレントの方々が所持していて逮捕された報道を見てご存知の方も多いかと思います。
 RUSHとは,亜硝酸エステルを主成分とする薬物で,以前は工業のほか,青酸化合物中毒の治療や狭心症などの医療に使用されていました。
 人体に与える効果としては,血管を拡張させ,肌の紅潮やお酒を飲んだ際の酩酊状態に似た感覚のほか,性的な興奮を及ぼします。
 日本国内においては,2006年に指定薬物とすることが決定され,輸入することや販売することが禁止され,現在は違法薬物(薬機法における「指定薬物」,脱法ドラッグ等と呼ばれることもあります)と位置付けられています。
 もし,日本国内で所持していた場合,次に紹介する法律で処罰されることにもなりかねませんので,仮に「合法」や「アロマ」「消臭剤」「芳香剤」といった謳い文句であっても注意が必要です。

 そういった違法な薬物を所持していた場合や使用した場合,どのような罪に問われてしまうのか,あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

・医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律違反

 指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない
(第76条の4)

 聞きなれない法律か思いますが,この法律では様々な医薬品や医療機器について,その取扱い方法などを定めた法律です。
 一般に使用される風邪薬や睡眠導入剤なども,大小様々な効果,効能があり,それらを医師や薬剤師が症状に合わせて人体に悪影響が出ないように処方して使用されているのです。
 昨今の新型コロナウイルスの予防接種を受けて副反応で辛い思いをしたり,中には,一般に処方や販売がされている薬を服用したことで,気分が悪くなったり,発疹が出てしまったりという経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
 医師や薬剤師が調整し処方した薬や,一般に販売されている薬を服用しても場合によっては人体に何らかの影響を及ぼしてしまうおそれがある医薬品や医療機器が,適正に使用されなかったら怖いかと思います。
 そうしたことが起こらないように,数多くの条文で,事細かにその使用や管理について定められているのです。


 そして,上で紹介した条文では,法律に指定された薬物は,治療や予防などの正しい用途で使用しなければならないと規定しているのです。
 もし,この法律に違反してみだりに指定薬物を所持したり使用したりしてしまった場合,
    3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


と,処罰されてしまうおそれがあります。

 今回の事例におけるAさんは,指定薬物である「RUSH」を,医療等の本来の目的ではなくあくまで私的な理由により所持していたことから,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律違反」として処罰されてしまうと考えられます。

~本事例における当事務所の活動~


 Aさんに,弊所の初回無料相談をお受けいただき,その後,すぐにお任せいただくことが決まりました。
 受任後すぐに弊所の弁護士が,警察署へ弁護人として選任を受けたことを告知する弁護人選任届を警察署へ提出しました。
 また,警察署や検察庁とも交渉し,在宅で捜査を進めてもらえるように意見書を提出しました。
 さらに,Aさんご自身が自ら作成した謝罪文と,当事務所の弁護士が作成した書面も提出するなど,Aさんが逮捕されてしまうことがないよう活動を行いました。
 逮捕されると生活や仕事に影響が出るだけでなく,せっかく,薬物からの離脱のために再出発を目指していたAさんの生活そのものが壊れてしまうと思われたからです。
 そうした活動の甲斐もあってか、一般的に逮捕,勾留される可能性が高いと言われる薬物事件でしたが,Aさんは逮捕されることなく,不起訴処分となり,日常生活へと戻ることができたのです。

 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、全国各地(札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡)に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度、24時間受付中の弊所フリーダイヤル

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