建造物損壊罪の逮捕の可能性

建造物損壊罪の逮捕の可能性

建造物損壊罪と逮捕について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

千葉県山武郡九十九里町に住むAさんは、近所にある弁当屋で買い物をしようとしたところ、会計の際に財布を持ってき忘れたことに気づきました。
そのことを店員に告げたところ、店員が冷たい態度をとったように思えたため、その弁当屋に恨みを持つようになりました。
そこで、ある日の深夜、Aさんは閉店中の弁当屋の壁にスプレーで適当に落書きをしました。
その落書きは水や通常の洗剤では容易に消すことができず、それなりの金額で専門の業者に依頼してやっと綺麗になるようなものでした。
翌日、Aさんは人づてに弁当屋の店長が怒り狂っていることを聞きました。
逮捕されないか心配になったAさんは、弁護士にその点を聞いてみることにしました。
(フィクションです。)

【建造物損壊罪について】

建造物損壊罪は、建造物を「損壊」した場合に成立する可能性のある罪です。
類似の罪として器物損壊罪が挙げられますが、単に対象物が異なるに過ぎないと割り切るべきではありません。
器物損壊罪の法定刑は、①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)のいずれかです。
それに対して、建造物侵入罪の法定刑は、5年以下の懲役のみとなっています。
建造物という対象物の重大性から、建造物侵入罪には器物損壊罪の比にならない刑となっているのです。

建造物損壊罪における「損壊」には、物理的な破壊のみならず、建造物の外観を損なうような状態にすることも含まれます。
上記事例では、Aさんが水や通常の洗剤で落ちないような塗料で弁当屋を汚損しています。
こうしたAさんの行為も「損壊」に当たる可能性があり、そうであれば建造物損壊罪が成立する可能性があります。

また、建造物損壊罪が成立しなかったとしても、みだりに他人の家屋を汚したとして軽犯罪法違反になる可能性が別途考えられます。
ただ、軽犯罪法違反の法定刑は拘留(1日以上30日未満の留置)または科料なので、建造物侵入罪が成立する場合より刑は著しく軽くなるでしょう。

【逮捕の可能性】

刑事事件では、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐべく、逮捕により身柄が拘束されることがあります。
場合によっては、逮捕の期限である72時間の経過後に、引き続き拘束を続ける必要があるとして勾留(拘留との違いに注意)という長期の拘束が行われることもあります。

刑事事件において逮捕を行うかどうかは、基本的に警察をはじめとする捜査機関に委ねられています。
捜査機関は個々の事案毎に逮捕の当否を判断することになるので、たとえばA罪であればこうだといった断定をすることは難しいです。
ただ、捜査機関も逃亡などの防止という観点から逮捕の当否を検討しているであろうことは想像がつきます。
そのため、弁護士が具体的な事件の内容を聞けば、逮捕の可能性を高いもしくは低いというかたちで答えることは可能な場合があります。

逮捕の可能性を検討するうえで外せない要素は、やはり事件の重大性です。
重い罪であったり複雑な事件であったりすればするほど、逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと推測され、結果的に逮捕の必要性が高いとされることが予想されるためです。
上記事例は、①建造物損壊罪という軽くない罪であること、②犯人の特定が急務であること、③対象がコンビニで店の信用に関わること、などの要素が含まれます。
こうした要素から、重大な事件として逮捕の可能性が高まることはありうるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士が、逮捕の可能性を含む事件の見通しを可能な限り具体的にお伝えします。
建造物損壊罪を疑われたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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